今回は、「ヴィンセント カット(カトー)」です。
小ぶりでキュートなロゼットが特徴の人気種です。
日本の夏にはすこぶる弱く、何度も枯らしてしまうにもかかわらず、見かけるとまた欲しくなってしまう。
そんなヴィンセントカットの魅力を紹介します。
基本情報
品 名 | Echeveria ‘Vincent Catto’(ヴィンセント カット) |
交配式 | 詳細は不明 |
来 歴 | Al Waltemeyer氏によって命名され、2009年頃から流通 |
語 源 | Vincent と Catto ともに人名で使われるが、詳細は不明 |
タイプ | 「Globulosa(グロブローサ)」としも流通しているが、正しくは ‘Vincent Catto’ になる 海外ではミニマとして流通することもある |
気になる点①:名前
‘Vincent Catto’ について、「カトー」という表記で「加藤」とかけているケースをみかけます。
YouTubeで現地の方々の発音を聞くと、「カット」ないし「ト」にアクセントを置いて「カトー」と発音しているように聞こえます。「加藤」のように「カトー」と発音しているかどうかは?でしたので、当サイトでは「カット」を使います。
2010年ごろから国内に流通するようになりましたが、当時はグロブローサという名前で入ってきました。
しばらくして ‘Vincent Catto’ が正しいと主張する方が出てきましたが、すでにグロブローサが浸透した後でした。
I.C.N.によると、グロブローサというエケベリアは野生では一度も発見されたことがなく、オアハカ州の市場で購入されたミニマ似の栽培品種につけられたそうです。ヴィンセントカットは、小ぶり出る点ではミニマと共通しているので、流通の過程でグロブローサになってしまったものと思われます。
気になる点②:親
ヴィンセントカットは交配種として扱われていますが、親の情報は定かではありません。
これだけ小ぶりでキュートな葉やロゼットをもつ原種は、他にはないように見受けられます。
しかも、交配種とは思えないくらいに高温多湿に弱い・・・
原種といわれるとすんなり受け入れてしまいそうですが、自生している場所は特定されていません。
花は、色合いがセトーサに似ており、赤みがかったオレンジを基調にして先端にかけて黄色になっていくタイプです。
ただ、セトーサは花先があまり開きませんが、ヴィンセントカットは静夜の花先のように開きます。
となると、セトーサと静夜の交配種で小ぶりなタイプの選抜種なのかもしれませんが、詳細は定かではありません。
販売情報
普及種ではないので、ホームセンターや園芸店で入手できることはまずないです。
オンラインショップでは、立派な群生株を比較的安価で入手できることがあります。
魅力/特徴
ヴィンセントカットの魅力は、小ぶりでキュートなロゼット。
仔吹きがよいので、成長期になるとどんどん子株が出て群生します。
紅葉すると赤いラインが強調されたり、全体が赤く染まったりしてかわいらしさが増します。
育て方のコツ
ヴィンセントカットは、エケベリアの中でも特に高温多湿に弱いです。
猛暑になる地域で南西向きのベランダで栽培するようなケースでは、かなりの確率で枯れてしまいます。
ある程度エケベリア栽培に慣れてからの購入をお勧めします。
よく仔吹きますが、一度弱ると全滅する可能性があります。
できれば春に子株を鉢分けして丈夫に育て、保管場所を複数用意して夏越ししやすそうな場所を探すのもよいかと思います。
交配種
ヴィンセントカットは、交配ブームでさまざまなエケベリアとの交配が行われています。
小ぶりな特徴が引き継がれ、コロコロしたタイプが出来上がるケースが多いです。
以上、ヴィンセントカットの紹介でした。
ずっと見ていても飽きがこない、かわいらしいエケベリア。
夏越しに難ありですが、無事に乗り切ればもりもり増えて立派な群生をみせてくれます。
ある程度栽培に慣れてきたら、トライしてみてはいかがでしょうか?