ピンク色の爪で魅せる、ティッピーの魅力と育て方【多肉植物・エケベリア交配種】

今回は、「ティッピー」です。

古くからある人気の交配種です。
いくつかの顔を持ち、流通の混乱を招いた時代もあります。
それでも衰えることのない魅力を紹介します。

目次

基本情報

品 名Echeveria ‘Tippy’(ティッピー)
交配式『Echeveria Cultivars』によれば、クスピダータ(ないしコロラータ)の交配と記述されている

一方、I.C.N.によれば、作出者からの情報では「アガボイデス × 静夜」となっているが、
同交配は ‘Haageana’(ハーゲアナ)と同じであり、ティッピーとは別物ゆえ疑わしい
とのこと
語 源葉の先端がピンク色になり美しいロゼットになることに由来
来 歴1968年にカリフォルニア州の Dick Wright 氏により作出
タイプチワワエンシス × リンゼアナの交配種がティッピーとして流通していたが、
現在は ‘Beatrice’(ベアトリス)に名称変更された


‘Sunburst’ (サンバースト)という名前で流通していたことがあるようだが、現在では見かけない
流 通広く流通しており、ホームセンターや園芸店、100円ショップでも入手できることがある

親株情報

書籍『Echeveria Cultivars』によれば、ティッピーはクスピダータ(ないしコロラータ)の交配と記述されています。

E. cuspidata(クスピダータ)

メキシコのコアウイラ州、ヌエボ・レオン州に分布する、ス爪が魅力のスタイリッシュな原種です。
クスピダータの変種には、人気のザラゴーサ(cuspidata var. zaragosae)があります。

ティッピーの葉先の美しさを考慮すると、親株はクスピダータでも違和感がないように思います。

しかし、作出者の D. Wright シによれば、親株は「アガボイデス × 静夜」とのことです。


愛好家さんが同じ交配式で多くの交配種を作っていますが、どれもアガボイデス似でありティッピーには似ていないように見えます。I.C.N.によると、「アガボイデス × 静夜」とうのは疑わしいとのことですが、それもわかる気がします。

ということで、親株にはややモヤモヤ感が残ります。

タイプ別比較

ティッピー(ないしチッピー)として入手したものを比較してみます。

季節の変化もありますが、どれも違ってみえます、、、
Tippyという言葉には、「ひっくり返りやすい」「不安定な」という意味があるので、変化を繰り返していたら面白いですね。

特に上段と下段での違いが激しいですが、現在では下段の桃太郎似のものを ベアトリス と呼ぶことになっています。

販売情報

比較的広く流通していますが、ホームセンターや園芸店で見かけることはまれだと思います。
販売イベント、ネットショップ、オークションなどで入手可能です。

魅力/特徴

ティッピーの魅力は、整ったフォルムのロゼットにピンク色の爪がアクセントになった見ごたえある姿

紅葉すると、爪のピンク色が強調されてさらに美しくなります。

成長すると20cmを超えるので、大きく育てて立派な株にするのもよいと思います。

花も載せます(桃太郎似ではない方)。

やや静夜の雰囲気がある気がします。
2つ見比べると、色合いも形も違う気がしますが、そこはTippyということで。。。

育て方のコツ

ティッピーはかなり丈夫で育てやすいです。
比較的成長が早く、大きくなると20cmを超えることもあります。
鉢からあふれるようになってきたら、根腐れしないよう一回り大きな鉢に植え替えてあげてください。

交配種

グスト/グストー(’Gusto’)

アモエナ × ティッピー

『Echeveria Cultivars』では、アモエナと静夜との交配種となっていますが、I.C.N.では静夜ではなくティッピーとしています。

『森の妖精』とも言われる茎立ちするタイプのエケベリアもグストと呼ばれていますが、I.C.N.によると、森の妖精を意味する Supia に名称変更されています。

ローラ(’Lola’)

ティッピー × リラシナ

従来、リラシナと静夜の交配と思われていましたが、I.C.N.によると、ティッピーとリラシナの交配とされています。

ラミレッテ(’Ramillete’)

ティッピー × 王妃錦司晃

1970年に Dick Wright 氏によって作出された交配種。
‘Bouquet’ という交配種と姉妹株です。

以上、ティッピーの紹介でした。

古くある交配種は、名前や顔の違いで混乱しがちですが、ピンク色の爪の美しさは変わりありません。
丈夫で育てやすく、安価で入手しやすいので、見かけたら育ててみませんか?

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