もふもふ感が最高の毛べリア、セトーサ の魅力と育て方【多肉植物・エケベリア原種】

今回は、毛が生えるエケベリアの代表格である「セトーサ」の紹介です。

エケベリアの中で、毛が生えるタイプはそれほど多くありません。
その中で、セトーサはユニークな変種が複数あり、それぞれ個性的な形で人気を博しています。
毛が生える他のタイプと合わせて、エ毛ベリア毛べリア などと称され愛され続けているセトーサの魅力を紹介します。

目次

基本情報

学 名Echeveria setosa(セトーサ)
自生地メキシコのプエブラ州、オアハカ州などに分布
来 歴1907年にプエブラ州南部にて採集
語 源ラテン語で「毛深い」を意味する
タイプ複数の変種がある
・setosa var. setosa(和名:錦司晃)
・setosa var. ciliata(和名:王妃錦司晃)
・setosa
var. deminuta(デミヌタ)
・setosa
var. oteroi(オテロイ)
・setosa
var. minor(和名:青い渚)


その他、Sierra Mixteca や San Mateo Penasco といった地方種がある
流 通青い渚は、古くから国内で流通しており、ホームセンターや園芸店などでも入手しやすい

タイプ別比較

セトーサには多くの変種があるため、個々に紹介しておきます。

setosa var. setosa(和名:錦司晃)

setosa var. ciliata(和名:王妃錦司晃)

1957年にオアハカ州にて採集。

setosa var. deminuta(デミヌタ)

1975年ごろにオアハカ州にて採集。

以前は、E. rundelii (ルンデリー)や E. rondelii として独立した原種として扱われていましたが、現在はセトーサの変種とされています。
ルンデリーという名前は現在でも広く浸透しています。

setosa var. oteroi(オテロイ)

1972年にオアハカ州にて採集。
多種と比べると変異が大きく、葉が大きくて毛が無いのが特徴です。

setosa var. minor(和名:青い渚)

オアハカ州にて採集。
他種と比べると、葉が青みがかって先端が細いです。

ちなみに、毛の生える他の原種には主に以下のエケベリアがあります。

E. harmsii(ハムシー/ハームシー/ハルムシー):和名「花の司」
E. leucotricha(レウコトリチャ):和名「白兎耳」
E. pilosa(ピロサ) 
E. pulvinata(プルビナータ):和名「錦晃星」

見比べてみると、セトーサが最も毛が生えるタイプにみえます。

販売情報

青い渚は、古くから国内で流通しており、ホームセンターや園芸店などでも扱っていることがあります。
その他のタイプはほとんど見かけることはありませんが、オンラインショップやネットオークションなどで入手可能です。

魅力/特徴

セトーサの魅力は、見ための通りの毛におおわれた、もふもふの可愛いらしさ
細かい毛は柔らかくて刺さらないので、触っても痛くありません。

毛の生えるエケベリアの原種は、プルビナータ、ハムシーなどがありますが、いずれも茎立ちしやすいタイプです。
セトーサは小型でロゼットが美しいタイプなので、1つあると多肉置き場のバリエーションが一気に上がります。

小ぶりで赤と黄色ののグラデーションがきれいな花を咲かせます。

オテロイも仲間だけに、同じ花が咲くんですね。

育て方のコツ

セトーサは毛をまとっているせいか、暑さにあまり強くありません。
真夏に水やりを控えると葉がシナシナになるため、我慢できずに水やりすると高温障害で溶けてしまいがち。
水やりを我慢していても、残暑を乗り切れず結局枯れてしまうこともあります。
夏越しするためには、できるだけ風通しの良い涼しい場所で管理してあげてください。

交配種

セトーサは、古くから流通している人気種なので、交配種も定着しているものが複数あります。

根岸交配

清和王妃晃(セイワオウヒコウ)

細葉大和錦 × 王妃錦司晃

花王妃晃(ハナオウヒコウ)

花うらら × 王妃錦司晃

美尼王妃晃(ビニオウヒコウ)

ミニマ × 王妃錦司晃

その他根岸交配王妃晃の花(オウヒコウノハナ): 王妃錦司晃 × 花うらら
錦雲(キンウン): 王妃錦司晃 × 大和雲
・クインプルメジオ: 王妃錦司晃 × センセメジオ
・錦兎耳(ニシキトジ): 王妃錦司晃 × 静夜
・大和王妃晃(ヤマトオウヒコウ): 大和錦 × 王妃錦司晃
・陽晃(ヨウコウ): センセメジオ × 王妃錦司晃
・陽司晃(ヨウシコウ): 養老美種 × 錦司晃

その他の交配種

シエラ(’Sierra’)

セトーサ × ミニマ?

I.C.N. ではセトーサとミニマの交配として紹介されていますが、画像のタイプは恐らくセクンダ(El Encino)やミニマの交配種と思われます。
いずれにしても、小ぶりでよく仔吹きます。

デローサ(’Derosa’)

静夜 × セトーサ

錦の司/紅輝炎(’Set Olivar’)

ハムシー × セトーサ

ボンビシナ(’Bombycina’)

セトーサ × 錦晃星(プルビナータ)

渚の夢(白い渚)

青い渚 × ラウイ

ヘルツブルト(’Herzbult’)

ロンエバンス(’Ron Evans‘)

セトーサ × アモエナ

J.C.Van Keppel 氏により作出された交配種です。
全体感はアモエナですが、セトーサの毛がうっすらとだけ残り、バランスの良いロゼットも引き継がれています。

ワーフィールドワンダー(’Worfield Wonder’)

I.C.N.では、デローサと同じものとしています。
ただし、ワーフィールドワンダーの方がやや葉がとがっている感じがするので、デローサの変異かもしれません。

  • ドリステイラー(’Doris Taylor’) プルビナータ ‘Ruby’ x  セトーサ
  • ドンドルビン(’Dondo Rubin’): 静夜 × 王妃錦司晃

紅輝炎やボンビシナのように、相手の親も毛があるタイプですとかなりはっきり毛が残ります。
その他も、うっすら残っているタイプも多いです。

もふもふと強烈な爪やフリルが組み合わさった交配種ができたら面白いですね。

以上、セトーサの紹介でした。

もふもふのエケベリアは、見ていると癒しを与えくれる気がします。
毛べリアが欲しくなったら、ぜひセトーサを育ててみてくださいね!

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