今回は、青白い葉が織りなすロゼットが美しい「デスメチアナ」です。
目を奪われるほどの美しいロゼットをもちながら、ちょっと目を離していると、ドレスをまとったかのような姿でアピールしてくることもあります。
なんだかウキウキしてくるような特徴をもつデスメチアナの魅力を紹介します。
基本情報
学 名 | Echeveria desmetiana(デスメチアナ) |
自生地 | メキシコ中部や南西部 |
来 歴 | 1879年にベルギーの園芸家であるルイ・デ・スメット氏により文献に掲載 当時は Echeveria peacockii (ピーコッキー)の変種とされていたが、 ピーコッキーがダドレアであることがわかり、2017年にEcheveria desmetianaに名称変更された |
語 源 | 所有者のルイ・デ・スメット氏に由来 |
タイプ | ・Peacockii ‘Platinum Dress’(ピーコッキー・プラチナドレス):栽培品種? ・Subsessilis(サブセシリス):従来のピーコッキーの仲間 |
タイプ別比較
名称変更があるまでは、ピーコッキーという名前で様々なエケベリアを目にしてきました。
名前の変更に従えば、ピーコッキーはすべてデスメチアナとして整理されることになります。
とはいえ、どれも異なる顔に見えます。
現在でもピーコッキーの名で販売されているケースがあります。
ルンデリー(現:デミヌタ)やグロブローサ(現:ヴィンセント・カット)のように、一度浸透した名前はしばらく生き続けると思われます。
また、’Morning Beauty’ や 養老 という名で親しまれてきた サブセシリス(subsessilis)は、従来ピーコッキーの仲間として扱われていました。
現在、I.C.N.の原種リストから外れているので、ここではデスメチアナの仲間として集約しました。
販売情報
デスメチアナの流通量は少なめで、ホームセンターや園芸店で目にすることはほとんどありません。
販売イベント、ネットショップ、オークションなどで販売されるケースが多いです。
魅力/特徴
デスメチアナの魅力は、ホワイトブルーの上品なロゼット。
幅広の葉が幾重にもかさなった姿を上からみると、まさにバラを見ているような気分になります。
あえて「上から」と表現しましたが、横からみると違った特徴がみえてきます。
わかりづらいかもしれませんが、下葉が下に向いて伸びています。
いったん下を向いた葉は、もはや戻ることはないほど固く張っています。
このまま成長していくと、スカート ないし ドレス のような見栄えになります。
日照不足が原因と思われますが、水やりを控えていてもいつの間にかこうなっていることがあります。
プラチナドレス、という名前で流通しているだけに、ドレスのようになるのが特徴かもしれません。
そう考えると、むしろドレス姿を楽しむ気分になれそうですね。
一方、ドレスにならないように、とことん栽培環境にこだわるというやりがいも見いだせそう。
どちらにしても、楽しめるお得感があります。
花は、がくが長くて花びらが朱色をしています。
デスメチアナとサブセシリスの花は、見比べてみると似ているので、仲間らしくみえます。
育て方のコツ
デスメチアナは、上述の通り、日照不足だと葉が下を向いてスカートないしドレス状態になってしまいます。
この状態を避けるには、できるだけ日当たりの良いところに置いてあげる必要があります。
ただし、日照不足が続いたあとで急に強い日差しを受けると葉焼けしますし、湿気が多いときに水やりをしすぎると根腐れもします。その点は他のエケベリアの管理と変わりません。
乾燥に強いといわれるので、水やりを極力控え、乾燥気味に育てた方がきれいな形をキープできます。
冬に下葉が枯れ始めたら、暖かい場所で管理すると綺麗な形を維持できるでしょう。
交配種
ブルーバード
コロラータ × デスメチアナ
以前は、カンテとサブセシリスの交配とされていましたが、現在では コロラータとデスメチアナとの交配 として扱われています。
カンテが親なのに肉厚感があるのでモヤモヤしていましたが、コロラータとの交配と知ってスッキリしました。
強烈なドレス姿になるので、デスメチアナの血を引いているのがわかります。
ブルーヘロン(’Blue Heron’)
シャビアナ ピンクフリル × サブセシリス
洋紅レンゲ(ヨウコウレンゲ)
養老 × つま紅れんげ
根岸交配です。
養老はサブセシリスの和名ですが、外観からはあまり感じられません。
以上、デスメチアナの紹介でした。
ホワイトブルーの美しいロゼットに加え、いつのまにかドレス姿も披露してくれるかも。
それも楽しみの1つとして、いろんな育て方に挑戦してみませんか?