今回は、「ウングイクラタ/アンギキュラータ」です。
爪系のエケベリア原種の中でも、ザラゴーサをしのぐほどの鋭い爪を持ち、怖いくらいの存在感を示しています。
爪好きの方にぜひ知ってもらいたい原種です。
基本情報
学 名 | Echeveria unguiculata(ウングイクラタ/ウングィキュラータ) |
自生地 | メキシコのタマウリパス州西部やサンルイスポトシ州東部に分布 |
語 源 | ラテン語の ‘unguiculatus’(葉の先端、すなわち「爪」)に由来する |
来 歴 | 1970年に、Charlie Glass氏とBob Foster氏によってメキシコのHuizacheの24km南で採集 |
タイプ | unguiculata, Jaujal(ハウハル)という産地別タイプがある 1986年に、ISIによって間違ってEcheveria aff. angustifoliaとされた ミクイアナとしても流通している 国内では、クライギアナとして流通していた時期もある |
タイプ別比較
unguiculata は色々な呼び方で出回っていますが、よく見かけるのはアンギキュラータです。
学名のラテン語読みとは異なりますが、浸透しているためウングイクラタと併記しています。
ミクイアナとは、メキシコ・タマウリパス州の地名 Miquihuana(ミキウアナ)のことです。
ヒアリナのラパス(La Paz)やコロラータのタパルパ(Tapalpa)のように、産地名が独立した品名のように思われるパターンに見受けられます。
クライギアナとして流通していたことがあるため、今でも間違って紹介されることがあります。
両者を比較してみます。
確かに色合いや全体的なフォルムは似ていますが、爪や葉の細さが異なるので慣れれば見分けがつくと思います。
販売情報
流通量が限定されているので、ホームセンターや園芸店で見かけることはまずないと思います。
比較的安価で購入できるネットショップがあります。
魅力/特徴
ウングイクラタの魅力は、なんといっても強烈なインパクトをもった爪。
そもそも学名の由来が爪というだけあって、爪なしでは語れないエケベリアです。
エレガンスやヒアリナのような優しいエケベリアに慣れてしまうと、ウングイクラタはかなり攻撃的に見えます。
好みがわかれるかもしれませんが、爪好きな方にとっては超どストライクのエケベリアだと思います。
淡いサーモンピンク色の花を咲かせます。
育て方のコツ
ウングイクラタは、高温多湿に弱く夏越しのハードルが高いエケベリアです。
真夏にはできるだけ涼しい場所で管理するようにしてください。
交配種
成長がゆっくりで花芽をあまり出さないので、交配しづらいかもしれません。
近年の交配ブームでチャレンジする実生家さんが増えましたが、なかなか成功せず未だ流通する交配種が見当たりません。
それだけに、これから出てくる交配種が楽しみです。
以上、ウングイクラタの紹介でした。
爪といえばクスピダータ・ザラゴーサですが、ウングイクラタは名前にまで爪が出てくる筋金入りの爪べリア。
見かけたらぜひ育ててみてくださいね。