今回は、イケメンでいて妖艶というミステリアスな雰囲気を持つ「ストリクチフローラ」です。
初めて目にしたとき、原種らしい独特の美しさに心うばわれることでしょう。
一年を通して育ててみると、様々な顔をみせてくれるのでずっと変化を楽しむことができます。
そんな個性的な人気種の魅力を紹介します。
基本情報
学 名 | Echeveria strictiflora(ストリクチフローラ/ストリクチフロラ) |
自生地 | アメリカのテキサス州、メキシコのコアルイア州、チワワ州、ドゥランゴ州、ヌエボ・レオン州に分布 アメリカに自生する唯一のエケベリアであり、最も北部で生息していることを意味している |
語 源 | 花がついた茎が細くまっすぐであることに由来 |
来 歴 | 1849年にテキサス州のリムピア峠の西側の標高約1400mにて発見され、翌年に海外の文献にて発表 |
タイプ | 以下の地方種がある strictiflora, Saltillo、 strictiflora, Sierra Delicias strictiflora, Sierra EL Calmen strictiflora, Parras 近年、Saltilloと似ている Nova(ノバ) というタイプが多く流通している |
タイプ別比較
strictiflora, Saltillo(サルティーヨ)
日本で以前から流通していたストリクチフローラに似ています。
エッジのラインが際立っています。
strictiflora, Sierra EL Calmen
(シエラ エル カルメン)
エッジのラインが出ない薄葉タイプです。
strictiflora, parras(パラス)
エッジのラインが出ない肉厚タイプです。
strictiflora Nova(ノバ)
近年よく見かけるようになったタイプです。
Saltilloと同じくエッジのラインがきれいに出ます。
以前は、Bustamante(ブスタマンテ)というタイプも地方種としてストリクチフローラに属していました。
現在では未確認扱い(species)として分けて管理されています。
販売情報
ストリクチフローラは普及種ではないので、ホームセンターや園芸店では取り扱っていないと思います。
海外輸入の種子の実生苗が、ネットショップやオークションなどで販売されるケースが多いです。
魅力/特徴
ストリクチフローラの魅力は、見た目の格好よさと紅葉時の妖艶さ にあると思います。
鋭くとがりながら内側に反っていく葉に勇敢さを感じます。
イケメン風な出で立ちかと思いきや、紅葉時にはまた違った顔を見せてくれます。
淡いピンク、紫や白みがかった色に染まり、葉の縁のラインがより強調されて妖艶さが出てきます。
もっと葉が増えて締まった株になれば、さらにミステリアスな容貌へと変身してくれるはずです。
この変化を見るために一年を通じてその成長を楽しむことができます。
花は、淡いオレンジ色をしています。イケメンや妖艶さとは異なり、かわいらしさも味わえますね。
育て方のコツ
ストリクチフローラは、高温多湿にあまり強くありません。
猛暑の際は涼しいところにおいてあげるとよいでしょう。
小さいほど枯れやすくなりがちなので、暑くなる前にできるだけ丈夫に育ててあげるのもよいです。
夏越しすることが重要ですが、過保護にして栄養を与えすぎると紅葉しにくくなります。
ある程度のサイズがキープできるようになれば、肥料や水やりを控えめにして冬を迎えると、よい色合いに染まりやすくなります。
交配種
ストリクチフローラは、人気のエケベリアだけに、近年では交配種が続々と誕生しています。
見ためのイケメンさと妖艶さを引き継いだ交配種の誕生が楽しみです。
以上、ストリクチフローラの紹介でした。
気軽に入手できる原種ではありませんが、お迎えできれば一年を通して変化を楽しめると思います。
夏越しに慣れてきたら、ぜひトライしてみてくださいね。