今回は、フリルが美しい「シャビアナ」です。
透明感のあるエレガンス系や肉厚のエケベリアに慣れてくると、ちょっと変化が欲しくなるかもしれません。
そんな時におすすなのがフリル系。
その代表格として知られるシャビアナの魅力を紹介します。
基本情報
学 名 | Echeveria shaviana (シャビアナ) |
自生地 | メキシコのタマウリパス州やヌエボ・レオン州 |
歴 史 | 1948年にメキシコのヌエボ・レオン州、タマウリパス州との州境の標高にて採集 1972年にEric Walther氏により掲載 |
語 源 | 19世紀にHenry Shawが設立したアメリカ・ミズーリ州のミズーリ植物園の通称 「Shaw’s Garden」から命名 |
タイプ | 以下の栽培品種がある ・shaviana ‘Desert Star’(デザートスター) ・shaviana ‘Truffles’(トルフレス) ・shaviana ‘Pink Frills’(ピンクフリルズ) 以下の産地別のタイプがある ・shaviana, Peregrina(ペレグリナ) ・shaviana, Mine Asbestos(マイン アスベストス) ‘Fluffy Ruffles’という名前で流通する国もある。 |
タイプ別比較
‘Desert Star’(デザートスター)
フリルの出方が密になる選抜品種と思われますが、素性がはっきりしていません。’Truffles’と似ているため、別名かもしれません。
ブルージャイアントとも呼ばれることもあるようですが、国内では浸透していません。
‘Pink Frills’(ピンクフリルズ)
ピンク色が強く出る選抜品種。
‘Truffles’(トルフレス)
トラッフルズ、トリュフ、トラフルズなど読み方がたくさんあります。
成長するとデザートスターに似てくるタイプや、画像のように赤味が強いタイプもあります。
shaviana, Peregrina(ペレグリナ)
メキシコのペレグリナ地方のシャビアナ。
成長過程でフリルがゆるくなるものもあり、コブが出るものもあります。
shaviana, Mine Asbestos
(マイン アスベストス)
メキシコのヌエボ・レオン州の地方種で、アスベストの鉱山付近で見つかったものだと思われます。
‘Fluffy Ruffles’(フルーフィー ルフレス)
ニュージーランドで流通しているシャビアナのことですが、輸入により国内でも出回ることがあります。
その他、シャビアナ ライトパープルやグリーンフリル、ベージュフリル、ノンフリルなど、地方種の実生から出たタイプ違いに名前を付けて流通させるケースが見受けられます。
販売情報
「シャビアナ」ないし「シャビアナピンクフリル」として広く流通しており、比較的ホームセンターや園芸店などで扱っています。
ネットショップやオークションでも安価で入手可能です。
魅力/特徴
シャビアナの魅力は、なんといっても美しいフリル。
フリルタイプのエケベリアは、大型になるまでフリフリがはっきり出てこないタイプが多いですが、シャビアナは小型でもフリルが楽しめます。
20~30センチくらいまで大きくなるため、葉が締まった形にしてあげると、葉ボタンのように迫力がでてきます。
紅葉すると紫やピンクがより強くでます。
Pink Frillsはもともと葉がピンク色をしているので、夏でもきれいな色合いを楽しめます。
がくの長い朱色の花が、複数つらなって咲きます。
育て方のコツ
葉が薄いので、夏場は特にシナシナになりやすいです。
水不足で株が弱ると枯れやすくなるので、夏でも適度に水やりをしてあげるとよいでしょう。
交配種
シャビアナの代表的な交配種を紹介します。
フリルの出方に違いがありますが、美しい色合いは引き継がれているようです。
シャビアナのフリルを活かしたまま、別の特徴が出せる交配相手を考えるのも楽しいですね。
あずき(‘Painted Frills’、シャビホン)
シャビアナ × 紅司
シャビアナのフリルに紅司の模様がうっすらと見えて面白い交配種になっています。
ネオンブレーカーズ(’Neon Breakers’)
シャビアナ × ‘カンテ×シャビアナ‘
カリフォルニアにあるナーセリー Altman Plants の Renee O’Connell 氏によって作出された交配種です。2004年に交配され、翌年に誕生した比較的歴史のあるエケベリアです。
しかも、2010年にUSで特許登録(USPP21406P2)されています。
ピンクフリルズより強健で成長が早いという特徴を持っています。
‘Madre del Sur’(’マードレ・デル・スール’)というネオンブレーカーズの園芸種といわれるタイプも流通しています。
ピンキー(’Pinky’)
シャビアナ × カンテ
カンテのようなスラっと伸びる葉に、繊細なフリルと鮮やかなピンクが加わった美形の交配種です。
ブラックプリンス(’Black Prince’)
アフィニス × シャビアナ
シャビアナのフリルは引き継がれていませんが、アフィニスより薄葉で茶色になっています。
ブラックプリンスという名前で、アフィニスと見分けがつかないタイプが流通しています。
ブルーヘロン(’Blue Heron’)
シャビアナ ピンクフリル × サブセシリス
モーニングスター(’Morning Star’)
カンテ × シャビアナ
カンテとの交配の中では比較的フリルが強く出るタイプです。
姉妹株に以下の2種類があります。
・アフターグロウ(’Afterglow’)
・モーニングライト (’Morning Light’)
同じ交配式で、Gerhard Köhres氏が交配したカサンドラという交配種があります。
- カサンドラ(’Casandra’): カンテ × シャビアナ
- さざ波(’Sazanami’): シャビアナピンクフリルズ × ピンウィール
- スーザン(Susan): サブリギダ × シャビアナ
- スワンレイク(’Swan Lake’): トップシータービー × シャビアナ
- ブルマ(’Bruma’):デスメチアナ × シャビアナ
- ホワイトプリンス(’White Prince’): シャビアナ × ストリクチフローラ
- ‘Sibil.la’: シャビアナ × リラシナ?
以上、シャビアナの紹介でした。
肉厚のエケベリアに人気が出がちですが、フリルエケも間に入れて変化を楽しんでみてくださいね!