日本屈指の定番種、セクンダ/七福神 の魅力と育て方【多肉植物・エケベリア原種】

今回は、国内で「七福神」として知られている「セクンダ」の紹介です。

エケベリアを知らなくても、この植物なら見たことがある、という人が多いのではないでしょうか。
シンプルなロゼットをしたタイプ以外に、異なる顔を持った仲間がたくさんいます。
セクンダ集団としてコレクションしたくなる魅力について紹介ます。

目次

基本情報

学 名Echeveria secunda f. secunda(セクンダ)
和名:七福神
自生地メキシコの 連邦区、ドゥランゴ州、イダルゴ州、グアナファト州、 プエブラ州、ケレタロ州、トラスカラ州
などの標高2000 m以上の溶岩の上などに分布
語 源
来 歴1838年に海外の文献で初めて掲載
明治時代には国内に輸入されていたといわれている
タイプsecunda f. seunda 以外に、secunda f. byrnesii というメキシコ州に自生する品種がある

かつて、secunda var. glauca(グラウカ)や secunda var. pumila(プミラ)という変種として
分類されていたタイプは、現在は栽培品種として扱われている
その他、secunda ‘Reglensis’ や 斑入りの’Compton Carousel’ という栽培品種もある

以下、かなりの種類の産地別タイプがある
Guanajuato、Michoacan、Queretaro、Actopan、Cerro el Zamorano、El Chico、
El Encino, Hidalgo、Jaujal、Magdalena、Mezquital, Durango、Puebla、Tenango de Dolor、
Tenango de Doria、Valle Fantasmas、Xichu

タイプ別比較

セクンダは、日本では七福神として広く流通しています。
とはいうものの、セクンダにはいろいろなタイプがあり、どれも七福神とは異なるように見えます。
いくつか紹介します。

七福神

七福神は、交配種である インブリカータ(’Imbricata’:E. secunda × E. gibbiflora ‘Metallica’)の和名しても流通しています。
インブリカータはセクンダと似た形をしています。
1874年に交配されているため、明治時代から日本に流通していたとしても違和感ありません。
しかも、まだエケベリアの栽培経験の乏しい明治時代から日本に馴染んでいたとすると、原種よりも丈夫な交配種である可能性が高まります。

セクンダ十福

元祖セクンダとして国内で流通しているタイプです。

セクンダ変種

実生で出た突然変異と思われますが、詳細は不明です。

secunda, El Encino(エル エンシノ)

エッジの赤いラインが魅力的な地方種です。

secunda, Magdalena(マグダレナ)

葉が密集して美しい円形を描く、マグダレナの地方種です。

‘Compton Carousel’
(コンプトン カルーセル)

‘Lenore Dean’(ルノーディーン)とも言われるセクンダの斑入りです。
ロサンゼルスの南に位置するコンプトンに在住の Lenora Dean 氏のもとで突然変異した栽培品種です。



なお、I.C.N.では、グラウカ(Glauca)の名前が、非常に誤って用いられている旨が記載されてます。
長年エケベリアを収集していると、本当にいろいろタイプのグラウカを入手します。
ルンヨニー、デスメチアナ、エレガンスなどに似たものもあり、グラウカシリーズが作れるほどです。

長い歴史を持つだけに、いろいろ名前が出てきたり別の品種に同じ名前がついたりして混乱が生じるのも不思議ではありませんね。

価格情報

七福神は非常に多く流通しており、ホームセンターや園芸店などで入手可能ですが、メジャーすぎてあまり扱っていないかもしれません。販売イベントでも同様ですが、オンラインショップやネットオークションなどで入手可能です。

魅力/特徴

セクンダの魅力は、均整のとれた美しいロゼットと群生の美しさ、そして「七福神」という縁起の良い和名でしょうか。

大きいもので直径15cmほどに成長します。
古くから日本に馴染んでいるだけあって、家の庭でもりもり育っている七福神をみかけることがあります。
見るからに美しいロゼットに引き込まれて、つい立ち止まってしまうことも。



七福神という名前の由来は定かではありませんが、子がもりもり増えて立派な群生になるところに縁起の良さを感じます。
「金のなる木」と一緒に育てると、さらに福がやってきそうな気分にさせてくれるかも。

また、豊富な地方種があるので、それぞれどんな違いがあるのか比べてみる楽しみ方もあります。

花は、ピンクと朱色を基調として、先端がやや黄色をしています。

育て方のコツ

セクンダは、七福神がもりもり育っている光景からも、比較的丈夫で育てやすいです。
しかし、群生に至る前の小苗の状態の時に、あっさり枯れてしまうことがあり、
環境に慣れるまで時間がかかるかもしれません。

暑さにも比較的強いですが、日照不足が続いたあとで急に強い日差しを受けると葉焼けしますし、湿気が多いときに水やりをしすぎると根腐れもします。その点は他のエケベリアの管理と変わりません。

弱って小さくなってしまったからといって、福が逃げているわけではありません。
根腐れしていないか、害虫が発生していないかなどチェックをしてあげましょう。

緩効性の肥料を与えてあげると、大きく成長し仔吹きもよくなります。
自生地が高地であるがゆえか、寒さにも比較的強いです。

交配種

セクンダないし七福神が使われていると思われる交配種を紹介します。

根岸交配

アルバセブン

アルバ × 七福神

ペアセブン

養老 × 七福神

  • 緋木馬の光(ヒキマノヒカリ) : 相府蓮 × 七福神
  • 美尼福: ミニマ × 七福神

根岸交配の中には、七福美尼 という有名な交配種があります。
根岸氏の交配リストでは「養老 × ベラ」となっており、七福神は使われていませんが、七福神の交配として紹介されていることがあります。

その他交配種

出典:Flickr(Photo by LynnK827

インブリカータ(’Imbricata’)

セクンダ × ギビフローラ メタリカ

1874年にフランスのCréée par J.B. Deleui 氏によって作出された、セクンダの最も有名な交配種です。 
七福神は、セクンダではなくインブリカータであるともいわれています。

大和神(ダイワジン)

大和錦 × 七福神

横森 道二氏による作出です。
作出者による命名はダイワジンですが、ヤマトシンとしても流通しています。

以上、セクンダ/七福神の紹介でした。

日本では古くから七福神として親しまれてきたエケベリア。
いろんな顔違いがあるので、コレクションしてみるのも楽しいですし、まずは定番の七福神を立派に育ててみて、福にあやかってみませんか?

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