思わずスリスリしたくなる、プルビナータ(錦晃星/フロスティ/フリギダ)の魅力と育て方【多肉植物・エケベリア原種】

今回は、うぶ毛が生えたエケベリアの「プルビナータ」です。

セトーサ、ハムシーなどと並び、毛が生えるエケベリア原種の一角の登場です。
さわり心地としては他に勝るとも劣らない、プルビナータの魅力を紹介します。

目次

基本情報

学 名Echeveria pulvinata(プルビナータ/プルビナタ)
自生地メキシコのオアハカ州
語 源ラテン語で「クッション状の」を意味する「pulvinatus」に由来
来 歴1899年6月15日、オアハカ州で採集
1903年に海外の文献で初めて紹介
タイプ以下の変種・栽培品種がある
pulvinata var. pulvinata:和名は 錦晃星
pulvinata var. frigida pulvinata ‘Frosty’ からの変更
pulvinata ‘Ruby’:葉が狭く先端がとがって赤くなるタイプ

以下の近縁種がある
Echeveria leucotricha
・Echeviria harmii
・Echeveria pilosa

タイプ別比較

色々なタイプがあるので整理します。

pulvinata var. pulvinata
(プルビナータ/プルビナタ)

和名は「錦晃星」です。

pulvinata ‘Ruby’ という葉が狭く先端がとがって赤くなる栽培品種があります。
’Ruby’は、’Ruby Blush’ として流通することがありますが、チワワエンシス ’Ruby Blush’ の間違いと思われます。

pulvinata var. frigida(フリギダ)

あまり紅葉しないタイプです。
従来は、栽培品種として pulvinata ‘Frosty’(フロスティ)と呼ばれていました。
2000年代から変種に変更されるという話が出ていましたが、2017年に正式に変更となり、名称もフリギダとなりました。

フロスティは長年親しまれてきた名前なので、フリギダが浸透するには相当の時間がかかりそうです。

プルビナータではありませんが、似ている原種を紹介してます。

Echeveria leucotricha (レウコトリチャ)

和名は「白兎耳」です。
プルビナータの変種という見方もあります。

フリギダ(旧フロスティ)と似ていますが、毛並や葉先の色づきが異なります。
白兎耳にもフロスティという栽培品種がありますが、国内ではあまり流通していないようです。

出典:Flickr(Photo by PINKE

Echeveria harmsii
(ハムシー/ハームシー/ハルムシー)

和名は「花の司」です。

毛はかなり細かいです。葉が細く錦晃星ほど色づきはよくありません。

Echeveria harmsii
(日本国内でよく流通しているタイプ)

上記のハムシーと比べると、やや膨らみがあり発色が良いタイプです。
プルビナータ ’Ruby’ は、葉が狭く先端がとがって赤くなる特徴があるため、 画像のハムシーは ‘Ruby’ なのでは?と思えてきます。
もしくは、’Pulv-Oliver’ というプルビナータとハムシーの交配種もハムシーとして出回っているため、画像のハムシーもその可能性が高いです・・・。

Echeveria pilosa (ピロサ)

プルビナータよりは色が落ち着いていて細葉です。

比較ついでに、プルビナータの花も載せます。

赤く大きめの花が咲きます。

I.C.N.にて白兎耳ハムシーピロサPulv-Oliver の花が確認できます。

ハムシーはとりわけ花びらが長いです。
プルビナータや Pulv-Oliver と同じ短めの花びらのハムシーを見かけるので、気になる方はお手持ちのハムシーの花を咲かせてみるものありかと思います。

販売情報

錦晃星、フロスティとして広く流通しており、ホームセンターや園芸店などでも扱っていることがあります。

魅力/特徴

プルビナータの魅力は、ふわふわの毛におおわれたかわいらしい姿

うぶ毛がたくさん生えていて、触ってみると優しい感触です。

斑入りのタイプは、より色が鮮やかでかわいらしいです。


なんだか生まれたての雛を見ている気分になってきます。

育て方のコツ

プルビナータは、毛が生えているだけに、高温多湿にあまり強くありません。
夏場はできるだけ涼しいところに置いてあげたいところです。

茎立ちしやすいので、カットして挿し木にすることで増やすことができます。
子株をそのまま育てると枝分かれしたような見栄えになります。

枝分かれしたかのような立派な花茎になります。


立派に伸びる茎なので、咲かせる場合は広い場所で咲かせてあげたいところです。

交配種

プルビナータの交配種はそれほど多くはありませんが、古くから定着しているものを紹介します。

根岸交配

錦晃の薔薇

錦晃星 × サラゴーサ バル

真紅の蓮(シンクノハス)

相府蓮 × 錦晃星

  • 花晃星(ハナコウセイ)  : 花うらら × 錦晃星
  • 緑兎耳(リョクトジ) : 銀明色 × 錦晃星

その他の交配種

ジャイアント メキシカン ファイヤークラッカー
(’Giant Mexican Firecracker’)

ドリステイラー(’Doris Taylor’)

プルビナータ × セトーサ

プルビカルン(’Pulvi-Carn’)

プルビナータ × 銀明色

ボンビシナ(’Bombysina’)

セトーサ × プルビナータ

  • プルブオリバー(’Pulv-Oliver’):プルビナータ × ハムシー

ドリステイラーやボンビシナは、相手にセトーサを選ぶことで より毛深くロゼットがきれいな交配に仕上がっています。
ボンビシナの花芽の立派さはプルビナータ譲りですね。
真紅の蓮のように、相手の遺伝子が強いと毛は引き継がれないようです。

フワフワの毛が活きたままで、かつ相手の特徴も引き継いだ交配種の誕生が楽しみです。

以上、プルビナータの紹介でした。

名前の変更や近縁種の関係がやや複雑ですが、どのタイプもうぶ毛の魅力に変わりはありません。
思わず触りたくなるようになフワフワな毛べリアを育ててみませんか?

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