今回は、定番の人気種「リラシナ」の紹介です。
おしとやかな色合いで綺麗なロゼットのわりに、ゴーストという通称で呼ばれたりもします。
そんな謎めいたリラシナの魅力を紹介します。
基本情報
学 名 | Echeveria lilacina(リラシナ) |
自生地 | メキシコ北部のヌエボ・レオン州に自生 |
来 歴 | 1979年に採集され、1984年に海外の文献で掲載 |
語 源 | 薄紫色(lilac-colored)に由来 別名:ghost echeveria (ゴースト エケベリア)や Mexican hens and chicks(メキシコの鶏とひよこ) |
タイプ | 以下の栽培品種がある ・‘Crispate Beauty’(クリスペイトビューティー) ・‘Thriller pearl’ (スリラーバール) |
タイプ別比較
リラシナには、近年になって突然変異にてユニークな栽培品種が登場しています。
‘Crispate Beauty’
(クリスペイトビューティー)
Gerardus Olsthoorn 氏のコレクションの中から生まれたリラシナの突然変異です。
Crispateとは「縮れた、ウェーブのかかった」といった意味で、強烈かつ美しいフリルがそのまま名前に使われています。
‘Thriller pearl’(スリラーパール)
2016年にオランダの Johannes Hendrikus Adrianus Ammerlaan 氏の温室で誕生したリラシナの突然変異です。
オランダの OVATA 社がUS特許登録をしています。
葉の裏側に不規則なコブができるユニークなタイプで、マイケルジャクソンの代表曲「スリラー」のように幽霊を思わせる雰囲気を持っています。
販売情報
リラシナの基本種は、流通量は多いのでホームセンターや園芸店などで購入できることもあります。
オンラインショップでも比較的安価で購入可能です。
変異種のクリスペイトビューティーやスリラーバールは高額になります。
魅力/特徴
リラシナの魅力は、独特の形をした優しい色合いの葉でしょうか。
幅広な葉が先端に向かって反っていく形は スプーン状 をしています。
全体をみると、王冠のようにも見えてきます。
名前の通りライラック色(薄紫色)なので、優しくエレガントにも見えることもあります。
このリラシナ、お店では2号の小ぶりなサイズを見かけるのですが、じっくり育てていくと直径25cmほどに成長します。
しかも、紅葉していないときは銀灰色のような色合いなので、がっしり&ずんぐりして見えます。
海外の愛好家さんは大きく育てるイメージがあるので、放っておいたら化け物(ゴースト)みたいに大きくなった・・・とか?
近年では、クリスペイトビューティーとスリラーパールの誕生で盛り上がっていますが、その他にもモンストの変異が見られます。
これらの変異ぶりを見ていると、リラシナがゴーストと呼ばれるのも納得してしまいます。
花は、ザラゴーサ と似た朱色をしています。
育て方のコツ
比較的強いタイプなので、育てやすいと思います。
日照不足でも徒長しにくいですが、葉が開いてしまうとスプーン状の形が楽しめなくなります。
夏の日差しには強いですが、日照不足が続いた後で急に強光線に当てると葉焼けする可能性があるので注意が必要です。
成長はゆっくりですが、肥料や水やりを多めにすると20cmを越えることもあるので、どのような状態で楽しみたいか次第で調整が必要です。
紅葉すると薄紫色の落ち着いた美しさをみせてくれます。
交配種
リラシナは古くから流通している人気種ゆえ、いくつかの交配種が普及しています。
近年の交配ブームで、数多くのリラシナ交配が誕生しています。
ローラ
ティッピー × リラシナ
従来、リラシナと静夜の交配と思われていましたが、I.C.N.によると、ティッピーとリラシナの交配とされています。
べバリー(’Beverley’)
リラシナ × メキシカンジャイアント
ホワイトゴースト
詳細は不明ですが、フリルが強調されてゴーストらしさがしっかり表現されています。
マディバ(’Madiba’)
スペインのゴンザレス氏のナーセリー(Paco Serrano)にて作出されたリラシナ交配種です。
- ラパスリラ(’La Paz Lila’):ヒアリナ サン ルイス デ ラ パス × リラシナ
- その他、エレガンス、アガボイデスやコロラータなどといった定番のエケベリアとの交配など
以上、リラシナの紹介でした。
育てやすいので、ゴーストサイズになるまでトライしてみてはいかがでしょうか。