白銀の世界へ誘う、ラウイ の魅力と育て方【多肉植物・エケベリア原種】

今回は、白いエケベリアといえば真っ先に思いつくほどの人気種、「ラウイ」の紹介です。

初めて目にしたとき、ふっくらとした純白のシルエットに心を奪われた人も多いはず。
一度目にしたら欲しくなる、そんなラウイの魅力を紹介します。

目次

基本情報

学 名Echeveria laui(ラウイ)
自生地メキシコ・オアハカ州の標高約500mあたりに分布
来 歴ドイツ人のアルフレッド・ベルンハルト・ラウ(Alfred Bernhard Lau)氏によって1974年に発見
1980年代に日本の愛好家さんが、当時メキシコ在住のラウ氏より入手
語 源発見者のラウ氏に由来
タイプ丸葉タイプのほか、先端がやや細くなったタイプあり
流 通比較的入手しやすくなっており、まれにホームセンターや園芸店などでも入手できることがある

魅力/特徴

ラウイの魅力は、なんといっても エケベリア界トップクラスの白さ。


白いパウダーを上からまぶしたかのようなコナコナの見た目は、白銀の雪化粧のようです。
丸みをおびたシルエットとずんぐりな全体感から、お餅や雪見だいふくを連想させます。

成長スピードはゆっくりですが、12~15cmくらいまで大きくなるので、きれいに成長するとかなり見ごたえが出てきます。
年中白さをキープしていますが、肥料や水やりを控えて過酷な状況下で育てると、白さを超えて淡いピンク色に紅葉することがあります。

花は、うっすらと粉をまとった上品な朱色をしています。

育て方のコツ

ラウイは、雪のような見ためゆえに、日差しを当てると溶けてしまいそうに見えますが、逆に日差しを好みます。

その理由は、白い粉でまとわれているから。

この粉は、ブルーム といわれる果糖のことで、強い光による水分の蒸発から身を守るためにあります。
自生地が高温かつ乾燥した地域のため、もともと葉に水分を蓄えているうえに、粉で蒸発を防いでいるんですね。

このため、ラウイは真夏の日差しにも耐えます。
日差しを長く受けるほど白い粉がきれいに出てきます。
ただし、日照不足が続いたあとで急に強い日差しを受けると、葉がへこんだように焼けてしまいますし、湿気が多いときに水やりをしすぎると根腐れもします。その点は他のエケベリアの管理と変わりません。

この粉のおかげで、葉の表面がつるつるしたエケベリアに比べるとハダニの影響を受けにくいです。
身を守る盾の役割でもあるので、むやみに剝がさないようにしてあげてください。
一度粉が取れると、粉が元に戻るのに長い月日を要します。
下葉であれば、気づいた時には枯れてしまい生え変わっているかもしれませんね。

成長がゆっくりで子株が出ることも稀なので、増やしにくいタイプです。
成功確率は高くありませんが、葉刺しができます。
葉をとる際に粉をはがして汚くしがちなので、慎重にトライしてみてください。

交配種

ラウイの交配といえば真っ先に思いつくのが ラウンリンゼ ですが、~シャンペーンやエレガンス系との交配種も有名です。
さらに、交配ブームで様々な交配種が誕生しています。
ここではその一部を紹介します。

ラウリンゼ

ラウイ × リンゼアナ

日本で生まれた、誰もがトライしたくなる人気種同士の交配種です。

白鳳

パリダ × ラウイ

パウダーブルー(’Powder Blue’)

カンテ × ラウイ

ラウイの肉厚さと丸みを消してしまうほど、カンテの強さを感じます。

ラウレンシス (’Laulensis’)

ラウイ × セクンダ ‘Reglensis’

セクンダの美しいロゼットに、ラウイの肉厚さとうっすらとした白い粉が加わって見ごたえがアップしました。

スウィートハート (’Sweet Heart’)

ラウイ × 碧牡丹

サボテン相談室の交配種。
ラウイの白い粉が活きていますが、紅葉期はピンクに色づきます。

ラウイを使うと、相手の親株の特徴が全体的に優しい雰囲気に変わって、うっすら白粉を帯びる感じがかわいらしいです。
これからどんな美しいラウイ交配が出てくるか楽しみです。

以上、ラウイの紹介でした。

雪のように美しいラウイをお迎えすると、多肉棚にポツンと白銀の世界ができるほど目につくと思います。
粉をお落とさずきれいに育てたいという気持ちが、一層エケベリアへの愛を強くするかもしれません。

何かと気をつかいますが、美しく育った時には喜びも倍増なので、ぜひ育ててみてくださいね!

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