今回は、爪系エケベリアの「クスピダータ(cuspidata var. cuspidata)」です。
ザラゴーサと同じ仲間になりますが、認知度は後塵を拝している感があります。
スタイリッシュさでは勝るとも劣らないクスピダータの魅力を紹介します。
基本情報
学 名 | Echeveria cuspidata var. cuspidata(クスピダータ) |
自生地 | メキシコのコアウイラ州、ヌエボ・レオン州に分布 |
語 源 | 1902年にメキシコ・コアウイラ州のサルティーヨ近郊で採集され、翌年に海外の文献にて掲載 |
来 歴 | 葉の先端の特徴から、Cuspidate (先のとがった)に由来 |
タイプ | 原種のクスピダータには、2つの変種がある ・cuspidata var. cuspidata ・cuspidata var. zaragosae(ザラゴーサのこと) 旧学名をE.parrasensis(パラセンシス)という 以下の産地別タイプがある ・cuspidata, El Amparo ・cuspidata, Est Marte ・cuspidata, Menchaca ・cuspidata, Parras ・cuspidata, San Roberto ・cuspidata, Sierra Paila |
タイプ別比較
Parrasensis(cuspidata, Parras)
E. parrasensis とは cuspidata の旧学名のことで、現在は無効になっています。その名残りもあり、現在でも関連する名前で流通している場合があります。
・E. ‘Cuspidata v. Parrasensis’
・E. cuspidata parrasensis
・E. cuspidata Menchaca v Parrasensis, Parras
cuspidata, Menchaca(メンチャカ)
メンチャカ産のクスピダータの実生から生まれた、葉が細くなるタイプです。
cuspidata, Menchaca
メンチャカ産のクスピダータの実生から生まれた、葉が幅広になるタイプです。
cuspidata, Menchaca
メンチャカ産のクスピダータの実生から生まれた、爪が強調されたタイプです。
cuspidata, San Roberto(サン ロベルト)
サン ロベルト産のクスピダータです。
クスピダータは変異が多いといわれるだけあって、Menchacaだけでも違いがあります。
他の産地のタイプも入れると、かなりバラエティに富んだ集団となりそうです。
価格情報
クスピダータはザラゴーサよりも流通量が少ないですが、ネットショップやオークションなどで入手可能です。
魅力/特徴
クスピダータの魅力は、スタイリッシュに伸びる葉にザラゴーサ級の爪が加わった凛々しいフォルム。
色々なタイプがあるので、ザラゴーサよりも勇ましい爪も見つけられるかもしれません。
花は、ザラゴーサと同じ濃いめのオレンジ色です。
育て方のコツ
クスピダータは暑さにあまり強くありません。
夏になるまでにできるだけ強い株に仕上げておきたいところです。
真夏になったらできるだけ涼しい場所で管理してあげてください。
爪は、サボテンやアガベとは違ってそれほど固くありません。
刺されたい一心から触ってしまうと、折れてしまうことがあるので注意が必要です。
交配種
クスピダータはザラゴーサのように普及してるわけではないので、定番の交配種はそれほどありません。
スタイリッシュで鋭い爪が引き継がれる交配種の誕生が楽しみです。
ビクターレイター(’Victor Reiter’)
プロリフェラ × クスピダータ(Parrasensis)
フランクレイネルト氏作出の交配種。
プロリフェラの葉の質感に、クスピダータの葉の形状と爪の鋭さが引き継がれています。
紫式部
クスピダータ(Parrasensis)× アガボイデス ロメオ
クスピダータのスタイリッシュさと爪の鋭さにロメオの色合いが加わって、紅葉期にはパープルに色づく美しい交配種です。
以上、クスピダータの紹介でした。
爪エケといえばザラゴーサが真っ先に思い浮かびますが、クスピダータも負けていません。
流通量が少ないため入手しづらいですが、見かけてたら育ててみてはいかがでしょうか?