エケベリアの女王、カンテの魅力と育て方【多肉植物・エケベリア原種】

今回は、大型の人気種である「カンテ」です。

白い翼をまとったかのような優美な姿を目にすると、高貴さや威厳のような雰囲気すら感じてきます。
「エケベリアの女王」と呼ばれて親しまれているカンテの魅力について紹介します。

目次

基本情報

学 名Echeveria cante(カンテ)
自生地メキシコのサカテカス州
語 源「生命を与える水」を意味するメキシコ北部の遊牧民の言語に由来
来 歴1958年の文献ではEcheveria subrigida(サブリギダ)として記載されていたが、1997年にカンテとして紹介

タイプ別比較

カンテは、1997年までサブリギダとして認識されていたとのことなので、両者を比較してみます。

サブリギダ
カンテ

サブリギダとは色が異なりますが、サイズが大きいということで一括りにされてしまったのかもしれませんね。

販売情報

カンテの流通量は少ないですが、多肉の販売イベントやオンラインショップ、オークションなどで扱っていることもあります。

魅力/特徴

カンテの魅力は、なんといっても「エケベリアの女王」と呼ばれるに相応しい堂々たる美白のロゼット!


ピンと張った白く美しい葉が、翼を広げているかのようにも見えます。
30cm以上に成長するので、大きくなるほど女王らしい威厳が出てきます。

寄せ植えには向きませんが、きれいに育てれば単品で周りのエケベリアを凌駕するインパクトを放ってくれるはずです。

花もまた薄い粉をまとっており、淡い朱色をしています。

育て方のコツ

白さゆえにデリケートに見えがちですが、暑さには比較的強いです。

葉の全体に ブルーム と呼ばれる白い粉をまとって乾燥を防いでいるため、強い日差しでも耐えることができます。
日差しを長く受けるほど白い粉がきれいに出てきます。

ただし、日照不足が続いたあとで急に強い日差しを受けると葉焼けしますし、湿気が多いときに水やりをしすぎると根腐れもします。その点は他のエケベリアの管理と変わりません。
逆に、日照不足になると葉が下に反ってしまい、色が青みがかってきます。

肥料を与えるとぐんぐん大きくなるため、置き場所はしっかり確保しておく必要があります。

凍結しにくいタイプですが、葉が薄いので5℃を下回るくらいから下葉が枯れやすくなります。
枯れ始めてきたら、明るくて暖かい場所においてあげると、美しさをキープできると思います。

白い粉をまとっているので、不用意に触らないよう注意しましょう。
一度粉がはげてしまうと、ラウイやメキシカンジャイアントなどの白粉系エケベリアと同じく、粉が戻るのに長い月日がかかるか、葉が生え変わるまで元に戻りません。
雨ざらしにしてしまうと、しばらく残念な状態でおつきあいすることになります。

交配種

大型種だけに交配種も大型になりがち。
小型の交配種が人気の近年では、それほど多く交配されていないように見受けられます。

代表的な交配種を紹介します。

ドミンゴ (’Domingo’)

カンテ × ルンヨニー

1965年に Dick Wright氏によって作出された歴史ある交配種。
カンテの美しい葉でルンヨニーの整ったロゼットを形成しています。

同じ交配式で、 Renee O’Connell 氏作出のエンカンタダ (’Encantada’)と、David Cumming 氏作出の ヘルスタル(’Herstal’) という交配種があります。

パウダーブルー(’Powder Blue’)

カンテ × ラウイ

ラウイの肉厚さと丸みを消してしまうほど、カンテの強さを感じます。

ピンキー(’Pinky’)

シャビアナ × カンテ

カンテのようなスラっと伸びる葉に、繊細なフリルと鮮やかなピンクが加わった美形の交配種です。

フィリスコリス(’Phyllis Collis’)

アフィニス × カンテ

Créée par R. Collis氏による作出。
フィリスコリスの実生に ‘Tingdene’ というタイプがありますが、国内では流通していないと思われます。

ヘルスタル (’Herstal’)

カンテ × ルンヨニー

David Cumming氏による作出。

同じ交配式で、Dick Wright氏作出のドミンゴ(’Domingo’)と、Renee O’Connell 氏が作出した エンカンタダ(’Encantada’) という交配種があります。

モーニングスター(’Morning Star’)

カンテ × シャビアナ(以下は姉妹株)
アフターグロウ(’Afterglow’)
モーニングライト (’Morning Light’)

ブルーライト(’Blue Light’)

パルメリ(’Palmeri’) × カンテ

『GUIDE TO ECHEVERIA』によると、日本で作出された交配種とのことで、当時の流行曲「ブルーライトヨコハマ」から命名されたとか。
本来パルメリはサブリギダになるはずですが、親株のパルメリーは、サブリギダではなくPalmeriとカンテの交配種で碧牡丹と呼ばれているものとのことゆえ、ブルーライトはさらにカンテをかけたものということになります。

相手の親株も薄葉が多いので、交配種も薄葉になりがちですね。
これらはみな大型になると見ごたえがあります。
肥料や水やりを抑えれば成長を抑えることができますが、かえって形を崩してしまうので、本来の姿である大型にしてあげるべく、場所の確保はしっかりしたいところです。

以上、カンテの紹介でした。

綺麗に育った時の美しさはお墨付き!ぜひ女王様にチャレンジしてみてくださいね!



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