今回は、美しいロゼットの「シムランス」です。
透明感がある葉に緩やかで繊細なフリルが入っていて、見ていると優しい気持ちになってきます。
エレガンス人気の影に隠れている感があるものの、実はエレガンスにも勝るとも劣らないポテンシャルを秘めています。
そんなシムランスの魅力を紹介します。
基本情報
学 名 | Echeveria simulans(シムランス) |
自生地 | メキシコの北東に位置するヌエボ・レオン州に分布 |
語 源 | エレガンスに似ていることに由来 Similar(似ている)+ elegans(エレガンス)= simulansということか |
来 歴 | 最初の採集は1903年で、Echeveria var. elegansとしてエレガンスの変種とされていたが、 現在は独立した原種となっている |
タイプ | シムランスには以下のさまざまな産地別のタイプがある Ascension、Bustamante、Iturbide、Jaujal、La Joya、Laguna Sanchez、 Pajonal、Rayones、San Roberto トップ画像は Laguna Sanchez(ラグナ・サンチェス)で、シムランスの中では多く流通している |
タイプ別比較
シムランスには複数の産地別のタイプがあるので、いくつか紹介します。
simulans, Bustamante (ブスタマンテ)
ブスタマンテの地方種です。
葉がわりと大きめです。
simulans, Laguna Sanchez
(ラグナ サンチェス)
ラグナサンチェスの地方種です。
細かいフリルが入っています。
simulans, Pajonal(パホナル)
パホナルの地方種です。
simulans, San Roberto(サン ロベルト)
サン ロベルトの地方種です。
フリルが弱めでやや葉がとがって見えます。
名前の由来がエレガンスに似ているとのことなので、比較してみます。
優しい色合いと雰囲気は似ていますが、シムランスにはフリルが入っているので見分けはつきそうです。
エレガンスについては、以下で紹介しています。
販売情報
シムランスは、エレガンスより流通量が少なく、ホームセンターや園芸店で目にすることはほとんどありません。
販売イベント、ネットショップ、オークションなどで販売されるケースが多いです。
魅力/特徴
シムランスは、エレガンスと似ているだけに、とても美しい容姿をしています。
個体差はあるものの、透明感のある優しいフリルの葉からなるロゼットがとても優しい雰囲気を出しています。
エレガンスの美しさに加えてフリルまで味わえるようなお得感すらあります。
夏場は緑の葉をしていても、紅葉するとうっとりするような淡い紫色に染まることもあります。
大きく成長した株は、ロゼットがさらに美しくなり見ごたえがあります。
小さい株でも十分に魅力的で、むしろ愛着がわくこともあるかもしれません。
また、イチゴミルクのチョコレートのようなかわいらしい色合いの花も魅力的です。
思わずつまんで食べたくなります。
育て方のコツ
見ためが繊細そうなだけに、直射日光でとけてしまいそうですが、そこまで弱くはありません。
ただし、梅雨明けなどに急に強い日差しを当てると葉焼けすることもありますので、徐々に慣らすようにしてあげてください。
肥料や水やりを控えめにすると、よい色合いに紅葉してくれます。
交配種
昔ながらのシムランス交配種は見かけませんが、近年は交配ブームで様々な相手との交配が行われています。
シムランスの花は、花粉のノリがよく受粉しやすいことから種が採りやすい傾向にあるので、初心者の方でもチャレンジしやすいかもしれません。
- マジェンタ(Magenta): シムランス(Ascencion)× sp(ロンギシマ?)
以上、シムランスの紹介でした。
透明感のあるエケベリアといえばエレガンスが注目されますが、シムランスも勝るとも劣らない魅力があります。
見つけたらぜひ育ててみてくださいね!