今回は、古くから流通している定番エケベリアの「紅司」です。
歴史は古くとも、個性的な見ためのせいか人気はそこそこ!?
そんなイメージをくつがえすために紅司の魅力についてご紹介します。
基本情報
学 名 | Echeveria nodulosa(ノドゥローサ/デュローサ) 和名:紅司(べにつかさ) |
自生地 | メキシコのオアハカ州やプエブラ州などに広く自生 |
語 源 | 節を持つ茎の質感(nodulosus)に由来 |
来 歴 | 1869年に、Cotyledon nodulosa として海外の文献に掲載 日本では1930年頃の文献に名前が見られる |
タイプ | nodulosa ‘Painted Beauty’:葉が大きくラインが美形の選抜種 その他、細葉や丸葉、緑色など様々なタイプ違いがある |
タイプ別比較
紅司(細葉タイプ)
紅司は、主に丸葉の紅色が強いタイプが主に流通していますが、細葉でラインがはっきり入るタイプもあります。
丸葉紅司
紅司の中でも、丸葉で紅色が強いタイプです。
細葉タイプよりも多く流通しています。
紅司(コブが出るタイプ)
‘Painted Beauty’
(ペインテッドビューティー)
葉が大きくラインが色々な模様になる美形の選抜種です。
‘Painted Lady’ともいわれます。
価格情報
紅司は、古くから流通しておりホームセンターや園芸店などでも扱っていることがあります。
ネットショップやオークションなどでも入手可能です。
魅力/特徴
紅司の魅力は、なんといっても 葉に浮きでる独特の紅色のラインや模様 。
Painted Beautyというタイプは、「くまどり」といわれる歌舞伎独特の化粧のような、より強いラインがでて芸術的な美しさを感じさせてくれます。
人気生産者さんのエケベリアにも同じ名前の交配種がありますね。
紅葉すると、さらにくっきりと浮かび上がり、特徴が際立ちます。
他のエケベリアの原種ではみられないユニークさを持っていることをしっかり認識してあげたいですね。
花は、淡い赤色で、先端にかけて白く抜けていくような色をしています。
花茎は50cmくらいまで伸びて、重みで株が傾くほどになります。
花茎につく大きめの葉は葉挿しがしやすいです。
育て方のコツ
日光を好むので、日当たりの良いところで管理します。
ただし、梅雨明けの直射日光で葉焼けすることがありますので、梅雨明けには徐々に日光に慣らしていくことが大事です。
日照不足や水のあげすぎにより、葉が開いたり徒長したりしますので、何気にきれいに育てるのが難しいタイプです。
だらしない格好になった場合には、茎をカットして仕立て直ししましょう。
暑さにはあまり強くないので、猛暑の際は涼しいところにおいてあげるとよいでしょう。
トップ画像のようなオレンジの紅葉をみせてくれることもあります。
適度に肥料を与えて、水を控えめに1~2年成長させた後、肥料を控えて厳しめに育てています。
交配種
紅司は、特徴的な見た目だけに、交配親として人気です。
近年、紅司の個性的な特徴を生かしてさまざまな交配種が誕生しています。
ここでは、古くから流通している代表的な交配種のみ掲載します。
あずき(‘Painted Frills’、シャビホン)
シャビアナ × 紅司
シャビアナのフリルに紅司の模様がうっすらと見えて面白い交配種になっています。
ジョアンダニエル(’Joan Daniel’)
王妃錦司晃 × 紅司
紅色のラインに紅司を感じます。王妃錦司晃のロゼットが加わってバランスが良くなっています。
大和錦 × 紅司
この交配式の交配種がのちの ‘Monocerotis’(モノケロティス)となり、斑入りがモノケロティス錦として人気を博すことになったと思われます。雌雄逆かもしれません。
- ‘Ana Lu‘: 紅司 × パニクラータ(E. paniculata var. paniculata)
- ノラナ(’Nolana’): 紅司 × ラウイ
赤味がしっかりしたタイプ、ラインが出るタイプなど、ユニークな特徴が生かされていますね。
紅司は茎立ちしやすいので、お相手の親株は茎立ちしにくいタイプだと相性が良いかもしれません。
どんな特徴が出るか、イメージしながら交配してみると楽しくなりますね!
以上、紅司の紹介でした。
形を保つために少し注意が必要ですが、独特のラインや模様が魅力的なので、今後の人気アップに期待したいです。